ビジネスの世界では、数字は判断材料には便利で、どんなときでも公平、議論の余地
はないが、全て数字で判断できる訳ではない。特に、一度きりの人生は。数値化で良
く知られる世界の大学やビジネススクールのランキング、学科別のランキング調査も
ある。そこで、私たちに関係の深い大学の材料工学科の世界ランキングをみてみた。
(世界大学評価機関)
世界大学評価機関の「QS World University Rankings by Subject 2016」では、世界
トップ3校は米国のMIT、スタンフォード大、英国のインペリアル・カレッジ・ロ
ンドン大。世界50傑に入る日本の大学は、東大(17位)、東北大(22位)、東工大
(24位)、京大(25位)、阪大(44位)の5校で、これは米国19校に続き日本は中国5
校と並ぶ。昨年は、英国5校、中国4校に続き、日本と韓国3校とランクされていたの
で少しアップである。
(U.S. News)
米国ニューズの「Best Global Universities, 2016」では、世界トップ3校は米国M
IT、シンガポールの南洋理工大、中国の復旦大(上海)。世界100傑に入る日本の
大学は、東北大(20位)、東京大(25位)、京都大(46位)、大阪大(46位)、東工
大(70位)、九州大(100位)の6校で、これは中国26校、米国25校、韓国8校に続
き、日本は英国6校と並ぶ。
欧米の評価基準が妥当かは別にして、客観的なグローバル評価には便利である。日本
は教員や学生のダイバシティー(国籍)、国際論文引用でランキングを落とし実力以
下で評価されがちであるが、「教育は国家百年の大計」で教育には速効薬がないので
注意が必要である。
大学経営と考える米国では、ランキングアップに涙ぐましい努力をする。昔のことで
あるが、2年間勉強したペンシルバニア大学は、蔵書数アップのため図書館増設、デ
パートのようなブックセンター(学生生協に相当)の増改築など大学が一体となって
ランクアップに取り組む。そして、世界のアイビーリーグ、世界のウォートンビジネ
ススクールとしてランキングを維持する。「月とスッポン」とは、まさにこのことで
ある。