北海道大学触媒科学研究所光触媒科学研究部門(大谷文章教授)では,酸化チタンをはじめとする金属酸化物粉末の同定(これまでにないコンセプトです)と高精度の品質管理(XRDや比表面積測定だけではわからない特性を測定可能です)が可能になる「電子トラップ密度のエネルギー分布測定装置」を開発しました.ほとんどすべての金属酸化物が電子トラップをもっていることがわかっていますが,これを解析する装置はこれ以外にはありません.この装置をつかうと,たとえば以下のようなことが可能になります.
・XRDによる結晶相の決定や比表面積測定をすることなく,金属酸化物粉末を同定できる
・2種の粉末試料の一致度の定量的評価(どのくらい似ているのか/ちがっているのか)
・アモルファスを含むものでも特性評価ができる=XRDピークがない試料でも大丈夫
・製造ロット間や同一ロット内でも微妙なちがいが判明
・光触媒をはじめとする活性や機能性の支配因子のひとつとして解析可能
・データベースをつかえば新規調製材料の活性や機能性を予測可能
《企業の方》 この装置を企業などの方々にそれぞれの金属酸化物粉末試料をつかって試用していただくために,北海道大学触媒科学研究所内に「電子トラップ研究コンソーシアム」を設置(正式には2017年4月1日から)し,このコンソーシアムの案内資料を添付のように作成いたしました.会員になっていただくと会員種別により以下のことが可能になります.
・試料を委託して「電子トラップ密度のエネルギー分布」を測定(えられたデータの公開/非公開を選べます)
・一連の試料内およびデータベースを利用して他の試料との比較(一致度の評価)
・将来この「電子トラップ密度のエネルギー分布測定装置」が市販されたときの優先/ディスカウント(予定)
《大学・公的研究機関の方》 大学や公的研究機関の研究者の方には,触媒科学研究所の共同利用・共同研究拠点活動として,この装置を開放しております.共同研究としてご来所いただいて無償で測定していただくことが可能です.また,共同利用・共同研究としてご申請いただいて採択されますと研究費の支給もあります.
ご興味をおもちの方は下記までご連絡ください.
〒001-0021 札幌市北区北21条西10丁目
北海道大学触媒科学研究所
附属触媒連携研究センター「電子トラップ研究コンソーシアム」ユニット長
光触媒科学研究部門
大谷文章教授
011-706-9132(ファクシミリ:9133)
ohtani@cat.hokudai.ac.jp