11月20日JFCA第3回見学会が、トヨタ自動車株式会社(愛知県豊田市)で実施されました。この見学会は広報委員会交流企画分科会の企画で、27名の参加者がありました。
トヨタ自動車は、日本の製造業を代表する自動車メーカーであり、世界のモータリゼーションをリードする企業でもあります。「プリウス」を初めとするハイブリッドカーや燃料電池車「MIRAI」など、その技術力には常に市場に影響を与えてきました。その一方で、工場における生産活動は、「トヨタ生産方式」「リーン生産方式」と呼ばれ、「ジャスト・イン・タイム」「かんばん方式」「カイゼン」などの手法と共に、異業種を含め多くの企業が取り入れています。
見学は、元町工場の組立工程及び溶接工程と、環境技術・安全技術・生産技術・モータースポーツへの取り組みなどを展示したトヨタ会館にて行われました。
見学会当日は、トヨタ自動車の林様のご案内で、まず、GS、クラウン、マークX、MIRAIを生産している元町工場の見学からです。バスに乗って工場建屋を外部から見学すると、1900台の完成車ヤードを備えた東京ドーム35個分の敷地内では、次から次へと運搬車が行き来しており、整然とした動きの中にも生産拠点ならではの活気を感じます。これら生産工程は大きく分けて、①鋼板を切断、プレスしてボンネット、ドアなどのボディ部品を成形するプレス工場、②約400点のボディ部品をロボットによって溶接し、車の形に作りあげる溶接工場、③溶接されたボディを洗浄後、下塗り、中塗り、上塗りにより高品質の塗装面に仕上げる塗装工場、④塗装したボディにエンジンやタイヤをはじめ、様々な部品を取り付ける組立工場から成り立ちます。
工場建屋内での写真・VTR撮影、携帯電話の使用は禁止されており、カメラ・携帯電話等、電子機器は持ち込めないことからバス内に置いて建屋内に向かいます。最初に訪れた組立工程の見学は、ラインの上に設置された細い橋の上から行いました。ラインには色とりどりの違う車種の車体が低速で流れてきており、多くの作業員が組み立てを行っています。「かんばん」と呼ばれる表示板、音声・ブザー・チャイムによるお知らせ、実際の組立などの作業音などがラインから賑やかと言えるほどにあふれています。このラインで車をランダムに生産する工夫は、例えばレクサスは他の車より組立点数が多く時間がかかるため、作業員の負担を分散するためであり、さらには、部品協力工場の負担分散にもつながるとのご説明を受けました。また、むらなく塗装したボディから一旦ドアを外すドアレス工法により、作業者が組み立て時に素早く車内に入ることが可能になっています。さらに、各作業者が具などを積んで、作業スピードに合わせて移動可能なワゴン台車を活用しているのにも目を引きました。見学コースの途中には、トヨタの作業者が訓練するための道具が展示されており、部品合わせなど目標時間通りにできるかを挑戦できます。
見学の順番で後になりましたが、実際は組立工場より上流工程となる溶接工程の見学です。自動車の全方向から一斉に伸びてくる数多くのロボットアームが火花により溶接する姿は、まさに自動化ラインと呼ぶのにふさわしいものでした。
工場見学後は写真撮影コーナにて記念撮影となり、林様がカメラにより、集合写真を撮影してくれます。また、トヨタ会館40周年記念企画として「感謝のメッセージ」カードが一人一人に配られました。これはトヨタ従業員が工場見学に来ていただいた感謝のメッセージを手書きしたもので、もちろん一枚一枚のメッセージが違います。大企業であるトヨタ自動車が他では決して真似のできない表現で感謝の気持ちを伝えてくれます。
バスでトヨタ会館へ移動します。
トヨタ会館では、①ハイブリッド技術をコアとしたエコカー開発への多面的な取り組みが解る「環境と感動」、②事故を起こさないクルマの実現を目指した「安全と自由」、③トヨタのモノづくりの考え方、クルマをつくるための人の知恵と工夫を、生産工程とともに紹介する「生産と創造」、④モータ-スポーツ活動を紹介する「モータースポーツ」、⑤最新のトヨタの車に振れることができる「ショールーム」など、知的好奇心から最新高級車まで多くの内容について見学することができした。
見学当日の19:36に林様から当日撮影した写真データが添付されたお礼のメールが届きました。その行動は工場の無駄のない動作の数々と重なり、記憶に残る見学会となりました。
最後になりますが工場見学ご担当の林様、当日ご対応いただいた皆様、見学会にご参加いただいた皆様のご協力に、心より感謝いたします。
これからもタイムリーで皆様の関心にそった見学会を進めてまいります。