今月、アルゼンチンで行われたWTO閣僚会議の期間中に、世耕大臣、ライトハイザー米国通商代表、マルストローム欧州委員との三極貿易大臣会合が開催され、第三国による市場歪曲的措置に対し日米欧が連携して対応する趣旨の共同声明に合意しました。
<経産省HP>
◇日米EU三極貿易大臣会合を開催しました
―第三国の市場歪曲的措置に対する日米欧共同歩調-
http://www.meti.go.jp/press/2017/12/20171213001/20171213001.html
その際、米国が通商法第301条調査の対象としている「中国技術輸出入管理令(概要資料参照)」について、WTO違反の可能性が濃厚であるとの認識が三極で共有されました。
概要としては、技術輸出入管理令24条では「中国に技術輸入の際にライセンシーが供与された技術を利用した結果、第三者から権利侵害で訴えられた場合、ライセンサーが責任を負う義務有」とあるのに対し、中国契約法353条では「第三者から権利侵害で訴えられた場合当事者の合意で定めることが許容されている」という点から、外国籍の権利者にのみ過重な義務を課する規定としてWTO・TRIPS協定不整合の懸念がある、というものです。
懸念事項とする「改良技術の帰属」、「第三者の権利の侵害に関するライセンサーの義務」については、最新の不公正貿易報告書(2017年版)の56ページに掲載されております。
URL:http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004532/2017/pdf/01_01.pdf
つきましては、実際にこの措置の影響を受けている企業の有無を含め実態を確認させていただきたく、「中国技術輸出入管理令」によるライセンス供与に過重な負担を課された、強いられている(第三者から権利侵害で訴えられた場合、ライセンサーが責任を引き受ける義務、ライセンス技術を改良した場合、改良を行った当事者に帰属する)などの事例を以下の要領にてご教示いただければ幸いです。
影響を受けていると回答された企業様には個別に経済産業省からヒヤリングをお願いする可能性がございます。
1. 当該措置の影響の有無
2. 影響有りの場合、企業名と事態の概要
3. 回答期限 1/10中
4. 回答先 佐藤英樹 E-mail;sato@jfca-net.or.jp