HOME  >  イブセミ報告(web)12/24 産総研 川畑史郎氏a

2020年度 第7回イブニングセミナー (WEBで実施)
産業技術総合研究所 新原理コンピューティング研究センター 総括研究主幹
兼 同 量子エンジニアリングチーム 研究チーム長 
川畑史郎氏
「量子コンピュータの拓く新たな時代:基礎から最先端まで」

川畑氏写真



 12月24日に2020年度日本ファインセラミックス協会第7回イブニングセミナーをWEB開催し、約100人の方に視聴頂きました。多くの可能性が期待されている量子コンピュータがテーマであることと、丁寧で分かりやすいご講演をして頂きましたので、質疑応答も充実し、活発なセミナーとなりました。


 川畑史郎氏は、1998年に通商産業省 電子技術総合研究所(現 産業技術総合研究所)に入所され、2017年から産業技術総合研究所 研究グループ長、2018年からは文部科学省 光・量子飛躍フラッグシッププログラム Q-LEAPサブプログラムディレクタ、NEDO 高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発 量子関連コンピューティング技術 プロジェクトリーダーを務められております。


ご講演では、量子コンピュータの原理や、集積度の向上などの開発状況と商用化の予想時期、量子コンピュータが得意とする分野と現状コンピュータとのすみ分け、ハードウェアの種類と代表的はハードウェアの概要、世界の国家プロジェクトと日本のプロジェクトの状況などをご説明頂きました。量子コンピュータが得意な分野としては、人工知能・創薬・農業・新材料開発があるとの事でした。また技術課題は、現状技術では実用的な量子コンピュータは体育館サイズが必要になるなど大規模化の課題がある事、大量に必要となる配線からの放熱と極低温環境どう両立させるかなどを紹介頂きました。

質疑応答では、超伝導量子ビットの微細化、シリコン量子ビットの可能性、誤り訂正、コヒーレント時間と計算処理時間の関係、量子化学計算に必要となるビット数、機械学習への応用など多数の質問に丁寧に回答頂きました。また材料開発者には、「量子コンピュータが実用化されるのはまだ先ですが、材料開発でどのようなことが出来そうかを検討してみるのも良いのではないか」とのコメント頂けました。


 まだまだ移動や集まってのセミナーが開催できにくい環境ですので、WEBなどを活用して新しいビジネス発想に役立つ情報を提供していきます。









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