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2021年度 第5回FCセミナー (WEBにて実施)
名古屋工業大学 先進セラミックス研究センター 教授 藤 正督 先生
「少ないエネルギーと少ないCO2排出量で生産を実現するセラミックス」

8月30日に「少ないエネルギーと少ないCO2排出量で生産を実現するセラミックス」と題して名工大 教授 藤先生を講師にお迎えし第5回FCセミナーをオンラインにて開催いたしました。


ご講演では、昨年10月の菅首相の「2050年カーボンニュートラル」宣言に端を発し、にわかに騒がしくなった温室効果ガス削減に関連し、過去の京都議定書、京都メカニズム、パリ協定についても言及いただきました。その上で、セラミックス製造プロセスにおけるCO2排出量割合は、焼成、乾燥工程でほぼ8割を占め、無焼成ならば大幅に低減できるとし、タイルのガス焼成のCO2排出量が0.550ton/tonに対し、藤先生らが開発された無焼成法では、0.030ton/tonと20分の1近くになるという試算を示されました。


また、その方法には特別な装置が必要なく、セラミックス粉体表面をアルカリで溶融させ、せん断、圧縮すればメカノケミカル表面活性化と化学反応により焼成することなく強固な固化体ができることのご説明がありました。その上で、無焼成固化体の作成例として、シリカと低融点金属Biからなる複合体、加熱すると構造が破壊される有機蛍光染料、樹脂製光ファイバーとの複合体など多くの作成例もご紹介くださいました。


ご講演後には活発な質疑応答がなされ、聴講者の方々がセラミックスのカーボンニュートラルについて大いに興味を持たれたことがうかがえました。

以上






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