11月19日に、パナソニック(株)田頭健司様を講師にお迎えし、オンラインにて、第12回シミュレーションスクールを開催しました。
第12回では、超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクトにて取り組まれている、電歪ソフトマテリアル開発のマルチスケール計算と機械学習活用による効率化について、ご講演いただきました。
力学特性制御用モデル材料に、電歪材料として大変形が可能な液晶エラストマー(LCE)を選定し、粗視化分子動力学(CGMD)計算で力学特性や電歪特性の予測を行い、実験との定性的な一致を確認したことを示されました。さらに、蓄積したCGMD計算データの機械学習により、特性に効く、効かないのパラメータを明確にし、シミュレーションの解析結果と同様の結論を導き出し、機械学習の有効性を実証されました。
また、求める機能から分子構造を導き出すシミュレータを目指し、液晶の配向度をモデル化し、粗視化分子動力学の力学特性を反映する構成式を構築したことなどをご紹介頂きました。
上記のようなデータ駆動型材料設計技術は、今後コンソーシアムを組織し進められるとのことで更なる発展が期待されます。
シミュレーションスクールは、昨年12月より月1回のペースで開催し、今回が最終回となりました。その間、延べ1000人の方々にご聴講いただきました。本スクールの聴講をきっかけに、より多くの方がマテリアルズインフォマティックスに興味を示され、取り組まれるようになりましたら、大変うれしく思います。
以上