2月17日(木)に「CO₂分離膜の開発状況について」と題し、日本ガイシ(株)研究開発本部 NCMプロジェクト グループマネージャー 谷島健二様を講師にお迎えし、FCセミナーをオンラインにて開催しました。
日本ガイシ(株)では、独自のセラミック技術で社会環境に資する製品として、自動車の排ガス用フィルタ、NAS電池などを開発されています。本セミナーではCO₂-EOR(Enhanced Oil Recovery:石油増進回収)用途や天然ガス精製用途へ期待されているCO₂分離膜の開発状況についてご講演いただきました。
ご講演では、CO₂分離膜の構造、その分離機構をご説明いただいた後、分離層となるDDRゼオライトについてご講演頂きました。DDRゼオライトは0.36×0.44nmの細孔を有し、CO₂、H2、Heと各種炭化水素との分離に有効とのことです。
天然ガス田での使用を想定し、膨大なガス処理量に対応するための大面積分離膜を可能にするモノリス構造についてもご説明いただきました。膜面積は世界最大級の10m²以上、CO₂透過速度は500×10-⁹mol/m²sPa以上とのことです。
現在、カーボンニュートラル社会に向け、CCUS(Carbon Capture Utilization Strage)への関心が大いに高まっている中、世界で初めてDDRゼオライトのCO₂分離膜を報告された日本ガイシ(株)の方によるご講演は多くの聴講者にご参加いただいて、活発な質疑応答もなされ、大変有意義な時間となりました。
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