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日本ファインセラミックス協会 会長 山口悟郎
2025 年頭所感

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 新年あけましておめでとうございます。

 昨年は、元日から能登半島地震が起こり、大変な年明けとなりました。被災された皆様の復興と本年がより良い一年となることを、心よりお祈り申し上げます。
一年を通して、自然災害、政治や社会問題、円安の続く経済など多くの課題が山積した年でありましたが、月面探査機「SLIM」の月面着陸成功、パリオリンピック・パラリンピックでは日本選手の大活躍、米国大リーグでの大谷翔平選手の目覚ましい活躍など明るいニュースも多くありました。また、12月には、日本被団協のノーベル平和賞受賞式もありました。

 一方で世界情勢の緊張は高い状態が続いており、我々を取り巻く環境は依然として先が見えない状況です。そのような中でも、我々はセラミックスの特性が活かせる環境問題、資源循環などの社会課題の解決に取り組み、明るい幸せな未来の実現に向け、歩みを進める1年にしていきたいと考えます。
 産業動向調査委員会(委員長:東工大・篠崎教授)が通算42年にわたり実施しております「ファインセラミックス産業動向調査」によると、グローバル市場における日本のファインセラミックス産業の総生産額は、2024年度は3.8兆円(対前年比10%増)の見込みで、6年連続3兆円を上回り、シェアは約40%を維持、順調に成長を続けています。しかし、先進国はもちろん、新興国などによる積極的な研究開発をはじめ、さらには価格競争の激化などもあり、日本の素部材産業の一翼を担う日本のセラミックス産業をさらに強く、盤石なものにしていく必要があると考えております。

 JFCAは、常にグローバル市場の観点から、ファインセラミックス産業の振興と拡大を図るべく、 ①国際ルールをリードする ②市場をリードする ③材料をリードする という3本の矢をもって活動し、①国内外の情報提供の場 ②セミナーや研究会を通じた学びの場 ③会員相互が繋がる場 という3つの場を本年も提供し続けてまいります。

 昨年は、すべての取り組みを対面形式で実施し、新型コロナウイルスの感染拡大前の状況にほぼ戻り、会議、懇親会なども活気ある雰囲気の中、参加者間での積極的なコミュニケーションが図られました。人と人とのリアルな繋がりが戻りはじめ、その大切さを改めて実感しております。
 また、昨年より取り組んでおりますサステナビリティの活動では、会員企業の皆様のご協力のもと、4月には「JFCAカーボンニュートラルビジョン」をとりまとめました。秋には英語版の公開も行い、国内外から多くの関心が寄せられています。今後もサステナビリティへの活動を積極的に推進するべく、会員企業間の協力と共創を図っていきたいと思います。
 このように充実した協会活動を行うことができましたのは、皆さまからの多大なご協力によるものだと思います。この場をお借りし改めて御礼申し上げます。

 本年は、一昨年に立ち上げましたデジタルラボ研究会(委員長:東京大学・一杉教授)の活動よりデジタルラボのNEDO先導研究への申請を計画しております。日本が強いセラミックス材料の研究開発手法の改革に向けて、さらに精力的に取り組んでまいります。また、カーボンニュートラルを実現するための分離膜、電気化学セルなどセラミック技術やCMCなど複合材料技術、よりセラミックスの適応範囲を広げる3Dプリンターによる製造技術に関しても、研究会活動を含めて注力してまいります。

 本年も、地球環境問題への対応、地政学的リスクの増加など社会の急速な変化は続くと考えられます。カーボンニュートラルの実現に大きく貢献でき、これからの時代と社会に役立つファインセラミックス産業を目指し、経済産業省をはじめとする関係省庁・団体のご指導をいただきながら、会員会社の皆さまとともに、微力ではございますが最大の努力をしてまいる所存です。本年も、皆様からのより一層のご支援を賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます。





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