最近の外国人旅行者の多さには驚く。政府の2030年に6,000万人という目標は、今のインバウンド需要なら達成しそうである。最大勢力は中国、韓国で、昨年の韓国では人口約56%の2,825万人が海外旅行へ、と聞き更に驚く。日本人は毎年2,000万人で人口の16%、中国は1億5,000万人で人口の10%に相当する。多分、国境が陸路の欧州を除けば、韓国人の海外旅行比率が世界最多。気が付かない間に情勢は変わり、例えば日本の薄型テレビ市場で半分は中国企業が占め、「家電を買うなら日本企業」は今や昔の話。店頭で目を引くのは「Made in China」。IT技術の急速な進展は市場の勢力図を激変させ米国や中国の巨大企業が世界経済のトップに名を連ねる。一億人強の国内市場でしのぎを削って競争力を高めても世界ではもう歯が立たない。識者は「日本は世界の負け組になりつつあることを、もっと自覚すべきだ」と言う。最後の日本の砦のひとつセラミックスはまだ大丈夫と言いたい。
今月は、6日の運営委員会、12日の理事会で、来年度事業計画と予算案を審議します。また、3月11日のセラ3D積層造形研究会(豊橋)、12日のデジタルラボ研究会(東大)、24日のADCAL研究会と続きます。
(第9回積層造形サミット)
先月米国で開催の積層造形サミット(金属系)は、12ケ国から1,232名が参加。日本人は駐在を含めて6名と日本のアンテナの高さが分かります。また、誰も現存の製造プロセスを3D積層造形に置き換えることに価値を考えていなく、デジタルツイン化で米国の国際的な競争力を高める狙いが強く、強いアメリカ、国際競争力を意識したイニシアチブを随所に感じました。日本のセラミックスは、今後、金属系の轍を踏まない様にしなければなりません。報告書はHP(会員専用)にアップ済。
(International Day of Ceramics:国際セラミックスデー)
JFCAの発案が発端となり、米国先進セラミックス協会(USACA)、欧州セラミックスセンター(ECC)の日米欧工業会が世界各国のセラミックス学会が加盟する国際セラミックス連盟(ICF)へ提案し、今年1月、毎年3月12日を「国際セラミックスデー(International Day of Ceramics ; IDOC)」とすることが決定。今年の3月12日は直近のため、各国でのイベント等の実施は2026年3月12日とし、今年は「国際セラミックスデー」制定の広報に留めることにしています。記念日となる3月12日は、1年(グレゴリオ暦)のうち71日目に当たる日で、これは「Ceramics」の文字をアルファベット順にC (3番目) E(5番目) R(18番目) と最後のSまでの数字を足すと71になることに起因。文部省唱歌「茶摘み」の「♪夏も近づく88夜(立春の88日後)」が5月2日に相当するという考え方と同じ。
(セラミックス大学2025オンライン講習会)
恒例の日本セラミックス協会(学会)主催の「セラミックス大学2025オンライン講座(5月~11月)」が始まります。「セラミックスって何?どうやって作るの?どういう性質があるの?何が研究開発のキーポイントになるの?」セラミックスの研究に従事されて間もない方、改めて取り組もうとする方、基礎やノウハウを知りたい方など様々な疑問にお答えするセミナーです。市販の教科書では得られない具体的な入門の手引きから,製品として実用化する際の指針まで幅広い内容をカバーします。
今年の桜開花予想は、東京が3月22日とのこと。まだ三寒四温が続きますので体調にはお気を付け下さい。
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